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越後の國の讃岐うどん房 鶴越(つるこし)公式ブログ

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むにゅむにゅモチモチを再現する・白バラ多加水

先日作った白バラは加水を下げて全体に硬い生地に仕上げるべくしてそうなったのだが、食味としては硬すぎてコシというものとかけ離れてしまった上に、エッジも立たないという失敗作。
長い時間をかけて茹でるとそれなりに柔らかさは出てくるが、これは本当ではない。

今日は最後の白バラ約500gを使って、加水をギリギリまで増やす形で臨んだ。
基本的に加水量50%分の10%食塩水を用意し、定量を全て水回しするが、生地が粉っぽく全然落ち着かないので、別に用意した12%食塩水を調整用として使う。
手触りだけを頼りにして敢えて重量比で足し引きをせずにやってみたところ、落ち着いた感じが出たのは加水58%。普通で考えたら水の入れ過ぎ。
実際に踏んでいても柔らかくなり過ぎた感触が伝わってくるが、完全に失敗作というわけではなく良好な反発が足裏に感じられる。

期待をこめて一時間寝かせた後に3mm幅にカットして、茹でてみた。
むにゅむにゅモチモチを再現する・白バラ多加水_c0092877_037578.jpg
エッジはほとんどないが、形は大きく崩れているわけではなく、手触りはしなやか。
試食すると外側がふわふわっとした柔らかさがあって、コシはしっかりと出てゴム質な食感が出た。個人的には好きな食感だ。こんな感じのならいつまでもぐにゅぐにゅ噛んでいたいくらい。

見栄えは確かに悪いが、綾で食べたようなごついコシのものに慣れていない人だったら、こういった食感が心地よいと思える人は必ずいるのだろうなと思った。
茹で時間は12分取ったが、この食感が出るのなら普通は10分で十分だと思われた。
鉄筋腰の麺と違って、加水が多いと茹で上がりの感じも少しの時間の違いでダイレクトに食感の違いになっていきそう。
注文を聞いてから茹でて出すというお店なら、こういう種類の麺もありなのだろうし、熱いのよりはむしろ冷たいのにこれは使ってみたい。
宿題は、そういった多加水なのにエッジもビシッとしていることだと思う。
ギリギリまで加水を下げてやってみたが、どうも自分の好きな食感のものにはならないので、全般に多加水で長時間熟成というパターンをこれからしばらく試してみる予定。
茹で上げた時の麺の断面がどんな感じになるのやら。
むにゅむにゅモチモチを再現する・白バラ多加水_c0092877_0433981.jpg
同僚が帰省したお土産にわざわざ買ってきてくれた「上州地粉」を使って、久しぶりに内麦でうどん作り。
こちらは50%量の食塩水を用意したが、実際には全部使わなくても手触りが落ち着いたので多分46%前後だったと思われる。
元々外皮近くまで挽いてあるのだろうと思うが、蕎麦のような色をしている。
これを薄く延ばして、細切りにして何も言わずに出したら、蕎麦だかうどんだか分からないで食べている人がいるのではないかと思わせるきれいな褐色だ。
前にも一度この粉を使って打ったことがあるが、加水や塩分濃度を変えて打ってみても基本的にはゴッツン腰の麺ができる。

ほうとうの土地柄もあるので、これを肉団子や根菜などと一緒に煮込むとおいしいだろうな。
by up-jp | 2006-09-22 00:47 | 製麺ログ

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