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そこへ直れ!手打ちにいたす!

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越後の國の讃岐うどん房 鶴越(つるこし)公式ブログ

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あづまうどん、藤井大将おつかれさまでした!

開業前からお世話になった高松のあづまうどんの藤井大将がいよいよ引退という話を聞きつけ、高松に兄弟弟子の「絹延橋うどん研究所」の所長らと共に香川に出かけてきました。

現場は息子さんに任せて、すでに2年前から降りておられたのだけれど、経営もすべて任せることになったということなので、今回が本当の引退ということになります。
あづまうどん開業三年目の時に素人だった私と現絹延橋うどん研究所所長を温かく迎えてくださり、その後の現場トレーニングなどで何度もお世話になりました。
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改めて話を聞くと、受け入れた当時は私らが作るうどんは店で使う麺で使わず、あくまでも私たちの練習用として場所と材料を提供するという気持ちでおられたのだそうで、店が本当の安定期に入る前に、そのような決意で受け入れていただいていた度量に感謝するばかりです。

二代目の息子さんは、私たちと同じようにサラリーマンをやっていたんだけれど、うどんをやろうと思って転職したタイプの方で、一杯飲みながら製麺の技術的な話で終始しました。いろいろと熱心に勉強されている方なので、これからのあづまうどんの新化が楽しみです。

夜、あづまの方のご好意で、店で懇親会をさせていただきました。
「今日、俺がこの店を仕切るのは0時まで。あとは息子がなんちゃするけんな~」と何度も言う大将に、少し寂しさを覚えながら、これまで多忙に追われていた日々から解放されて女将さんとゆっくりと休める毎日が来ることに安心感も覚えたことでした。

慰労会に集合するまでの間は、「香川に行ったらうどんを食わんとウソやろ~」ということで、早朝からゆっくり数軒のうどん巡りをしてきました。
今回は当店のスタッフも同行したのですが、小学生の双子ちゃんも大人とほぼ同じ軒数でうどんを食べ、将来が非常に楽しみです(笑)
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到着前夜のジャンボフェリー内で、まずは一杯!これはお約束の儀式!
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五色台で迎えた日の出。香川で日の出を見るのは今までになかったこと。
この日は晴天で、春霞の中、坂出港、瀬戸大橋、対岸が一望できて最高!
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早朝営業の丸亀市「食うかい」で朝うどん。細めでちゅるんとした食感のうどんに大羽でとったイリコぶんぶんのダシが胃に沁みます。大将としばしダシの話で歓談。あまりみりんや節類を加えないで、年寄りが食べさせてくれたような讃岐の昔ながらの味付けを心がけておられるとか。イリコ天も注文から揚げていただいて、サクサクで美味しかったです。
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谷川米穀店で絹延橋うどん研究所の面々と落ち合うまでの時間調整で、滝宮天満宮へ。
うどん発祥との関わりがあり、うどんの刺繍の入った御守もゲット!折りしも桜が満開!高田よりも一足早い花見を満喫させていただいていたら、合流時間に見事に遅刻!www
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キッズたちが初めての香川訪問で食べるうどんが谷米で、しかも営業開始時間前で更に一分も並ばずに食べられる経験をするというのは奇跡ではないでしょうか?
「熱い1玉+玉子」が絶品過ぎて、絹延橋うどん研究所の所長は、ここで5杯食いました。
なぜにそうまでして?というと、兵庫にいて香川は足を運びやすいということで何回も谷米を訪れながら、ここ3年ばかりは到着した時点で玉切れという悪夢に毎回遭遇していたそうで、思い残すことがないように食べたと言っておりました(笑)
ちなみにウチは毎回並ばずに食べております。多分、火曜日という平日の早めに訪問しているお蔭でしょう。
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8年ぶりの池内。どこが入口でどこが食事席だか通路だか分からない怪しさは相変わらず。
ブリブリの剛麺が印象的だったこの店のうどん、今回は前回よりも弾力豊かな麺で、むしろ今の食感の方が好みです。そばがあったので、1玉ずつの合い盛りに。自家製っぽい粗挽きの唐辛子が激辛で、いつまでも唇が腫れたような感じで大変でございました。ほどほどにしましょう(笑)
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開業前の8年前に訪れた時に「このダシ、めちゃ好きなタイプ!」と思って、この味を心がけて出汁を作ってきた「田村」のうどん。
当時、店を牽引してきた親父さんは引退して次世代になっていましたが、うどんは健在!懐かしい味に再会し、8年前の感動の記憶が蘇りました。また、タイミングが良くて全部で10名の大所帯の私たちが入店すると茹で置きがなくなって新規に茹でてくれました。待つこと10分で田村の茹でだちが食べられるとはナント運が良いことか!
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最後は「あづまうどん」二代目の冷やかけで〆。
実は一昨年、二代目が店に入ってまもなくの頃に一度食べていますが、その時は硬さが目立つ麺でした。
今回はブリンとした弾力感が豊かで美味しい麺です。やはり毎日の仕事の中で鍛えられてきた感覚が麺をうまくさせています。

香川に二年ぶりに出かけて、ダシや麺の原点を確かめることができました。
こんな気持ちで一杯のうどんを食べてたなぁとか、こういう塩の使い方もあるんやなぁとか、やっているうちに上越に合わせてソフティケートさせた部分はここだったかとかいろんなことを考えました。

結論はもちろんなくて、「うどんは日々新化するもの」
香川にルーツがある中で、基本的には「自分が作る麺が美味しいと言われるものにした上で、それに合う美味しい出汁(メニュー)を作る」ことに尽きると思いました。

変えないもの、変わるものが上手にバランスしている店をやっていきたいと改めて感じました。
by up-jp | 2015-04-07 14:11 | 四方山話

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